(03/15)

3月15日 月曜日
ホテルのレストランで朝食をとっていると友人のイラク人学生、ディアが訪ねてきた。彼とは戦争前からの付き合いである。サダムを取り除くためにあの戦争は止むを得なかったという彼も、自衛隊を始め他国の軍隊がイラクに来ることには反対している。「大方のイラク市民は、自衛隊は占領軍とは違うと少しずつ受け入れてはいるものの、テロリストなど襲撃を続けている連中にとっては、どこの国からだろうが軍隊は占領軍と同じようにしか見えない。とにかく日本人が犠牲になるのは見たくないよ」という意見である。カズミヤに住んでいる彼は、先日の爆破事件はとても悲しいことだと嘆いていた。彼はシーア派だが、「スンニかシーアかなんて関係ない。これまでもうまくやってきたし、イスラムはイスラムだ。」と言うとスンニのサラマッドも大きく頷いていた。いつの時代も民族や宗教の対立は外から作られるものである。

アルヌーア盲学校にマイクロバスを届けに行く。これまで使っていた初代PEACE ONバスは、ドライバーのAが修理に出している。新しいマイクロバスのドライバーとして、アルアマルのドライバーであるハッサンの伯父さん、Hさん52歳を紹介してもらった。これまでもタクシードライバー等、運転手暦はかなり長いベテランである。

マイクロバスを見て、これまで故障に悩まされてきた先生方はほっと胸をなでおろしている様子だった。おんぼろでもアルアマルには2台のバスがあったが、ここアルヌーアにはPEACE ONバス以外無料で乗れるバスはないのである。おまけに施設があるHi-Al-Salam地区は比較的貧しい地域だったため陥落後の略奪も激しかったようで、備品等もかなり不足したままだ。寄宿舎、保健室など、それぞれの担当者から必要な支援のリストをもらう。

視覚障害を持つ政治、法律の先生Jさんは、いつかコーランを点字で翻訳出版するのが夢だという。偉大な構想だが、そのために必要な印刷機の値段はなんと15万ドルもするらしい。

マイクロバスを子どもたちに見せると、アルアマル同様皆にもみくちゃにされて収拾がつかなくなってしまった。初代バスのような故障に悩まされることはないと思うが、何とか無事に走り続けてほしいものだ。早速今日から使用することになったので、それぞれの願いを詰め込んだPEACE ONマイクロバスは、再び子どもたちを乗せて走り出した。

夕方またタラルさんのところにオウドを習いに行く。今日はスケール(音階)の練習。まだまだ早いと言われながらもちゃっかりアラビア音階(半音の半音、すなわち4分の1の音を含む)まで教えてもらった。

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