(03/08)

3月8日 月曜日
今日も暑くなく、そよ風が心地よい朝を迎える。画家のハニさんとマヤサさんと一緒にヌーリー・アル・ラーウィーさんの自宅兼アトリエへ。ハニさんが近々美術品修復の技術を学ぶためポーランドに行ってしまうので、その前にヌーリーさんのアトリエへ行こうという僕との約束を果たしてくれたわけだ。80歳の大老ヌーリーさんは以前「イラク・イン・ピクチャーズ」というイラクの近代芸術の歴史を紹介する写真集の制作にも取り組んだことがある。1966年に出版されたもので、今では絶版となっていて手に入れることは困難だ。写真集を見せてもらったが、パレスチナホテルやシェラトンホテルなどが建築される前の市中心部、美しく彩られたナツメヤシの民芸品、その他石油で有名になる前に農業国として豊かだった時代の人々の生活の様子を写した貴重な作品ばかりであった。世界に真のイラクを知ってもらうためにも、ぜひとも再版を願う。

その後やはりハニさんが尊敬する66歳の画家、モハメッド・ムラディーンさん-Mohamed Muraddin-のアトリエを訪れる。彼の作品には、日本の書を連想させるような東洋的な「美」を感じさせるものが多い。僕と会うと開口一番「日本人に質問がある。なぜ我々を攻撃した?そしてなぜ今軍隊まで送るのだ?」ときた。ついにこういう質問がきたかと日本の状況を説明し始めると、途中で冗談だよと言ってくれたが、グローバリゼーションの名の下に世界を支配しようとする現在のアメリカのやり方に対しての批判を繰り返し話していた。きっと最初の質問は本音だっただろう。

午後サラマッドは再びマイクロバスのリサーチへ。ホテルに戻ると元Human Shieldsのスウェーデン人女性、イングリッド-Ingrid-が訪ねてきた。彼女とはあのイラク戦争のドーラ浄水場で共に過ごした仲間である。

夕方近所の楽器屋を数件覗く。ギターはあまりいいものがなかったが、オウドという民族楽器はさまざまなデザインがあり、見ているだけで関心が増す。店長にチューニングの仕方を聞くとついでに弾いてくれた。突然現れたおじさんが弾いてくれたりもしたのだが、皆息を呑むほどのすばらしい演奏でばっちりときまっていた。自分もちょっと弾いてみたが、ギターと違ってフレットがないため正確に音程をつかむのが難しい。じっくりと習う時間があればいいのだが

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