(03/07)
3月7日 日曜日
昨日は夜8時頃部屋に戻り、ちょっと横になろうと思っていただけなのに気が付くと朝まで寝てしまった。こんなに寝たのは久しぶりであるが、頭がすっきりとしている。やはり睡眠は大切だ。昨日まで蒸し暑い日が続いていたのだが、今日は涼しくてすごしやすい。
ホテルのレストランに朝食を食べに行くとアンダルスパレスホテルに泊まっているジャーナリストの豊田直巳さんが訪ねてきた。豊田さんは先日のカルバラでのテロ事件のとき現場にいたらしい。ところで一体あのテロの目的は何だったのか。テロという言葉は慎重に使わなければならないが、今回は明らかに一般市民の殺害を狙っているので、明らかにテロリズムと呼べるだろう。イラク現地を混乱させるのが目的、つまりシーア派とスンニ派の対立を煽るのが目的で、アルカイダなどの外国人が起こしたテロと考えるのは一見わかりやすいが、それで自爆までするであろうか。対米攻撃のために自爆するのならわからなくもないが。イラク人の間ではあれはCIAがやったという意見が多いようだ。つまりイラクの混乱状態が続けば米軍が駐留し続ける理由になるという論理だろう。イラク人は今回の事件について割と冷静に対応しているようではあるので、テロ組織の狙いは決して成功したとは言えないと思うのだが。いずれにしても罪のないイラク人が殺され続けている状況は変わっていない。「イギリスの占領に始まり、イランイラク戦争、湾岸戦争、経済制裁、この度の戦争、そして現在の占領下におけるテロリズムと、なんでいつもこうイラク人は殺され続けなければならないんだ。争いはもううんざりだ。」とサラマッドが憤りをこめて話していたことを思いだした。
秋貞さんに昨日のカルバラの件で電話する。こちらの判断に任せてもらうことになった。サラマッドはバスのリサーチに出かける。
バグダッドに部屋を借りて長期滞在中の村岸由季子さんを常岡さんと訪れる。思いのほか広く立派な部屋で驚いた。屋上からの眺めもすばらしい。ここを地域住民とNGO等の交流の場などにも使いたいとも言っていた。村岸さんの特製手作り料理?のスパゲティをご馳走になる。
アルサフィールホテルでインターネット。終了後下のレストランでジャーナリストの橋田信介さん達と少しお話しする。JVCの原さんが来てラシッドホテルが狙われたと伝えてくれた。そういえば先ほど爆発音のようなものがしていた。
ホテルに着くとちょうどサラマッドがリサーチから帰ってきていた。いくつかいいマイクロバスを見つけたらしい。夜はヘリの音やらジェット機の音やらが続き何やらものものしい雰囲気。何度か遠くでまた爆発音がしているなあと思いきや、かなり至近距離でおそらくカラシニコフであろう耳を劈く銃声が響き渡り、驚いた犬たちがいっせいに鳴き始める。一瞬間夜が凍りつくような緊張が走り、ふと戦時下の気分が甦った
(注)バグダッドの村岸さんから補足説明を付けてほしいとの依頼がありました。
「私が今バグダッドで借りている部屋についていくつか問い合わせがきておりますが、あの部屋は私の親が私の結婚資金にと用意してくれていたお金で借りて住んでいます。現在NGOとしての仕事は一切していませんし、決して募金で生活しているわけではありません。」
(村岸由季子)