(02/20)

2月20日午後7時20分アムステルダム出発。機内で前の座席に座っていた方に、「イラクに行くのですか?」と日本語で話しかけられる。見覚えのある顔だなあと思ったら、長年イラク北部を中心に支援活動を続けているNGO、ピースウィンズジャパンの大西さんだった。今回はバグダッドにも行くというので、現地でまた会えるかもしれない。

21日午前1時、ほぼ定刻通りアンマンに到着。兵庫と福岡の小学生から預かってきた千羽鶴などがぎっしり詰まったダンボールをはじめ、預け荷物は全て出てきたので一安心。毎度のことだが忙しすぎて前夜はほとんど眠らずに成田を出発したが、細切れでも途中機内で何度も眠ったせいか思いのほか気分はいい。

タクシーで深夜のアンマン・ダウンダウンへ。昨年十月に訪れたときは汗ばむほどの陽気だったが、やはりこの季節は寒い。特に夜は冷え込む。イラク・アート・プロジェクトのため同行している画家の増山麗奈さんにとっては、初めての中東ということだが、今回で四度目の私も一年前はやはり初めての中東だった。昨年開戦前のイラクから一度出国して深夜のアンマンにたどり着いたとき、なだらかな丘陵に降り積もる雪が街灯に美しく乱反射していて、所々道端に作られた雪だるまが緊張を和らげてくれたのをまるで昨日のように思い出した。私にとってこの激動の一年は長かったのか短かったのか、時間の感覚が判然としない。あれから一年、雪は降っていなかった。モスクの尖塔から妖美なネオンの光がこぼれ落ち、寝静まった街を包み込んでいた。

いつものファラホテルへ。スタッフは皆私のことを覚えてくれていて、深夜のチェックインにもかかわらず快く対応してくれた。また、新しく入った看板娘から熱烈な歓迎を受けて少々狼狽した。名前は「ナナ」。いつもお世話になっているいわきの「スタジオなな」の馬場よしろうさんの愛犬「なな」と同名である。雌のシェパードで、日本のななと同じく美しい娘さんだ。

2月21日朝5時頃ようやく眠りについた。モスクから流れる祈りの声、アザーンが夢に溶けてゆく。

 

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