イラク娘ヘバのこと
たましいの友、というより妹のように仲良しなヘバ。
日本でいつも周りに写真を見せるたびすっかりみんなの気に入って一躍、大人気に(特にうちの母…)。「ヘバちゃん、元気?」「シリアに行くって? ヘバちゃんによろしく」などと声をかけられるのが定着しつつあります。
2004年、お父さんが何者かに命を狙われるようになり、実際に脅迫状が届いたり家の前で狙撃されたりしました。すぐに一家はイラクを離れます。ヘバはまだ、お母さんに抱かれて逃げる赤ん坊でした。
2歳半の時、ヘバと初めて逢います。不思議そうにこの日本おんなを見ていました。この頃はヘバはおとなしかったなあ。
回を重ねるごと、年齢も国籍も超え、仲は深まりました。
シリアと日本で遠く離れていようとも、こころで呼び合うふたり。テレ・ヴィジョンにアジア女性が映るたび、ヘバは「カオリやー」と叫ぶそうです。わたしだって日本でアラビア語を勉強する時、「ヘバと話したいから」という極めて具体的な目標がどれほど励みになることか。
7か月ぶりの訪問。呼び鈴を押すと、扉の向こうで「カオリや、カオリや」と囁く声。
4歳になったヘバはますます可愛らしくなっています。
聞けば夏の間、ヘバ達はイラクへ一時帰国していたそうです。
深夜に家のすぐ近くで大きな爆発事件が起こりました。何人ものひとが亡くなりました。ヘバは妹か弟ができるはずでしたが、事件のショックでお母さんのお腹の中の命は消えました。ヘバも体調を崩し、発熱や下痢などで長く苦しみました。
当分イラクへは戻れない-お父さんはそう判断したようです。
わたし達が訪ねる1日前、お父さんは仕事をクビにになりました。イチから出直しです。今のシリアで、イラク人にやすやすと就職先が見つかるとは思えません。
国連に難民申請をしたり欧州の国に移住したいと主張するものの、希望ある返答はありません。
家族はたいへんに疲れていました。
ヘバも。ヘバもストレスがたまっている感じを受けました。かんしゃくを起こしヘバがファラフェル(ひよこ豆のコロッケ)を床に投げた時、呆然としてしまいすぐに叱れなかった。わたしは悲しいのだろうか。わたしになにができるだろうかと探求しても、すぐに答えは浮かびません。
とはいえ、ヘバは元気です。たくさんの元気をもらえます。
今回の滞在中にできるだけたくさん会おうと思っています。
ヘバちゃんファンのみなさん、お楽しみに!
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