イラクアートの灯火
混沌からの光。私とイラク現代アートとの衝撃の出会いはおよそ4年前、バグダードのヘワール・アートギャラリーでした(参考まで当時のレポート)。あれからイラクの治安は極度に悪化し、多くのアーティストが国外に避難してしまったにもかかわらず、ここでは今日もアートの灯火を守り続けています。
現在バグダードで調査中のイラク人スタッフ、サラマッドがギャラリーを訪れると、ちょうどグループ展が開催中でした。題して、「アートは光の未来 ひとつのイラクのために」
これまで学者、医者などの知識人が多く殺害されてきた中で、アーティストたちの命も同様に狙われ、著名な作家の多くが現在イラク国外で活動しています。私たちが日本に招聘したイラク人画家、ハニ・デラ・アリやシルワン・バランも然り。このグループ展では、今イラクに残って活動を続けている若いアーティストが中心で、今イラクの社会を作っている責任ある人々に、アートによって私たちの声を届けようというもの。*そういえば、ギャラリーの名前、「ヘワール」とはアラビア語で「対話」という意味でした。
アーティストでもあるギャラリーオーナーのカーシム・サブティ(上の写真中央)。4年前初めて出会ったときには、朗らかな歌声と共に私たちに魚料理を振舞ってくれました。あれから殺戮と恐怖の闇に覆われていくバグダードで、停電の時にはロウソクの灯だけでもギャラリーの営業を続けたといいます。彼のこの不屈の魂こそが、イラクアートの灯火を守り続けてきたのでしょう。
再び見えてきた混沌からの光。イラクアートは生きています。
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