2009/4/19 日曜日

まるくまぁるく笑い合う ~桂枝雀没十年の日に~

Filed under: diary — Kaori @ 17:16:27

4月19日、桂枝雀さんがあの世へ旅立たれて今日で十年になりました。

落語について、人生最初の記憶をまさぐりますと。
日曜の夜、父が寝床で、ラジオの演芸番組をつけていました。
その番組は初めに漫才、それから犬猫漫談など色物のような賑やかなもの、最後に落語という構成。
幼いわたしはゆめうつつで、落語のお仕舞いまで聞いていられないことも多く、そのせいか落語はどこか別世界にいざなうからくりのように思えます。

今でも眠れなくなれば、枕元で落語をかけます。幼い記憶をたよりにして。

もう少し大きくなると漫才に夢中になりました。
学生時代などは難波の劇場まで足しげく通ったものです。
テレビで落語をやっていればじーっと見ましたし、落語会へ出かけた友人の話も羨ましく聞きました。
けれど、落語は年をとってからの大人の愉しみにとっておこうと、なぜか考えていました。

その通り、大人になって落語を好むようになりました。しかし、十年ほど遅かったのです。
とうとう、なまで枝雀さんの高座を観ることはかないませんでした。

「爆笑王」枝雀さんは今なお圧倒的な人気。色あせることがありません。

枝雀落語の登場人物たちは、いやらしいひともブサイクなひともやかましいひとも意地悪するひとも、みんながみんな魅力的です。
それはひとえに、枝雀さんご自身が登場人物をこよなく好きでいらっしゃるから。噺のさいちゅうに誰よりも枝雀さんご本人がまず、登場人物と出逢うのを謳歌なさっているように感じます。

枝雀さん曰くの「落語のくに」。
「落語とはなんですか」とのインタビューに答え(すごい質問だ・・・)、「落語は、おはなしですな」とおっしゃる桂米朝さんや、いわゆる口承文芸としての昔ばなしについて語る小澤俊夫さんのお言葉を思い出します。

たとえば、「次の御用日」の丁稚の常吉が好きです。おなごし(女中)のお清どんがお芋さんの太鼓の大きいとこを入れてくれると主に話す常吉、嬢やん(とおやん)のお供をする道中「黙ってお歩き」と怒られつつからかうのを止めない常吉、「(これからお遣いに参りましたらすぐに帰って参りますし、御膳も早よいただきまんので)どうかご了見なしとくれやす」とお奉行さんに泣きそうな面持ちで訴える常吉。どの場面も男の子特有の憎たらしさや可愛らしさに溢れています。

たとえば、「代書」の松本留五郎が好きです。留は、ほんまにどんならんたよんない。この上ない愛すべきあほです。

たとえば、「高津の富」で「ねー(子)の、ねーの」と繰りかえす男。

たとえば、「三十石 夢の通い路」の売り子の売り口上、船頭さんの舟歌。
耳に心地好く、最近ではよく音楽がわりに部屋に流しています。

枝雀落語で感じるのは、リアリティというよりイキイキと生きている躍動、律動。なにか脈打つもの。
枝雀さんが言ってらした、落語とは「生きててよかったなァと思って貰うもの」そのものなのでしょうね。

いやはや、なにせ毎日のように聴くもので、あろうことかおっとが枝雀さんにヤキモチを焼く始末。まあ、こういうゴチャゴチャ含めて「生きててよかったなァ」と思うものでしょうか。

早過ぎる死を惜しんだり、円熟した将来を見られない悲しみがないわけではないけれど、あまりメソメソはしたくありません。そのぶん残された録画物、録音物でめいいっぱい笑わせてもらおうと思います。
それに、枝雀さんが後世に遺したものを、現在の噺家や今後の噺家さんに見出し、大事に見届けたいと思います。

いつかあの世へ行ったならば「地獄八景亡者戯」よろしくあの世の寄席にておがめることを期待しつつ、本日はこの世の一隅より想いを馳せることにいたします。

*******

そういえばイラクなどアラブ諸国では、「ヌクタ」と呼ばれる小噺の類が好んで話されますね。
ヌクタは、落語とも講談とも異なりますが、一般に伝わるいわゆる昔ばなし、小噺ですかな。

イラク人が集まれば民謡が始まるのは、一昔前の日本でいう都々逸(どどいつ)とかでしょうか。
日本では都々逸はめったに聞かれなくなりました。

どの地域でも、このような口伝えの古いものが末永く広まることを祈ります。
(枝雀さんは英語落語まで開発されましたから、イラクなどに広まってもいいですね。)
老若男女を問わず笑い合えるということは、誠によろこばしいことでしょうから。

2009/4/16 木曜日

イマジンイラク写真展@大阪 開催中

Filed under: TOPICS/NEWS! — yatch @ 21:35:04

只今大阪で、「イマジンイラク写真展」が開催されています。

img_1596.JPG

MAGATAMA cafe× dining

大阪市中央区玉造1丁目4番14号

JR玉造駅/地下鉄鶴見緑地線玉造駅

06-6765-8911

~4月19日(日)まで

11:00~23:00

ピースオンからも、2003年のイラク侵攻前を含むイラクの人々の写真をいくつか提供させていただきました。

200903160419-4.jpg
img_1593.JPG
この企画に協力してくれた京都のピースオン会員、
水野さんのコメントを紹介します。

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米-イラク開戦から6年、
主催者の一人である高崎さんは、デザイン関係の仕事をしている若い女性で、
イラク反戦にのめりこんだのは、まだ高校生のころだったとか。
ひととおり、デモや集会の企画などをやってきて、
「声高に反戦を言う前に、イラクのことをもっと身近に感じる企画をしたい」
という思いから、今回の写真展を開いたそうです。

額装も手作りそのもので、
仲間で仕事が終わった深夜に集まり、
何枚もベニヤを切り出し、かっこよくしようとして失敗したり、
ニスの匂いが充満する部屋の中で寝ていたとか、
微笑ましい感じ。

私としては、
2003年のイラク戦争の「風」の中で、街頭に結集した世代が、
「風」に向かい続け、「風」が過ぎ去ったあとでも、
それぞれにとっての「イラク」とはなんだったか、を自らに問い続け、
相澤さんやよしはらさんの撮ったイラクの写真を、自分たちの感性で
一枚、一枚、セレクトして、展示してくれている・・・、のが嬉しかったですね。

もちろん、イラクの「戦争」はまだ続いています。
言い換えると、世界史的に見て、
「戦争」と「平和」の境目が曖昧化した現実に世界が変えられつつある、
という意味において、イラクで起きている事態は「来るべき世界」を先取りしています。

カーシム・サブティーは、イラクにおける自らの芸術・文化が、
「人間が人間らしさを喪わないための抵抗」
としてあることを教えてくれたわけですが、
僕たちが拙いながらにひねり出そうとする「文化」もまた、
ささやかながらも、そのような形を取りつつあるように思われるのです。

ともあれ、まずは春の雰囲気を楽しむようにカフェに足を運び、
イラクの写真に囲まれながら、それぞれにとっての「イラク」を
思い出してもらえると、ありがたいですね。

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最終日のジャズライブ・イベンには、
私もゲストとしてトークに参加します。

ぜひ、イラクを感じにきてほしいです。

4月19日(Sun)

START 19:00
charge free

Title
イマジンイラク
×
hideya iida

JAZZ LIVE

Artist
hideya iida

川口ゆうこ個展「未知数」春のご案内

Filed under: TOPICS/NEWS! — Kaori @ 7:42:45

いつもピースオンを応援してくださり、昨年のカーシム・サブティー来日の際もカーシムの東京画廊めぐりを引き受けていただくなど大変お世話になった画家の川口ゆうこさんが、ただいま銀座で個展を開催されています。

川口ゆうこ個展
「未知数」春
とき:4月14日(火)~19日(日) 11:00~18:00(最終日は17:00)
ところ:画廊宮坂
(東京都中央区銀座7-12-5 銀星ビル4階/03-3546-0343)
画廊宮坂ウェブサイト→ http://www5a.biglobe.ne.jp/~miyasaka/
※「お花お菓子お祝い等、ご遠慮させていただきます」とのことです。

最終日までにぜひうかがいたく・・・新作の観られるのを楽しみにしています!
みなさまもぜひ。

2009/4/14 火曜日

展覧会「萌えるアジア」開催中

Filed under: TOPICS/NEWS! — yatch @ 17:16:14

chuwa.JPG
展覧会「萌えるアジア -
SPROUTING ASIA-」

4月13日(月)~18日(土)
時間:11:00~19:00(最終日16:00まで)
場所:中和ギャラリー
(東京都中央区銀座6-4-8 曽根ビル3F/03-3575-7620)
http://www.chu-wa.com/

 ピースオン所蔵のイラク人アーティスト作品からは、
qasim.JPG
カーシム・サブティー
ブックカバーコラージュ
2008年未発表作品

hani.JPG
ハニ・デラ・アリ
ミクストメディア/紙
2005年作品

以上2点出展中です!

2009/4/2 木曜日

アラブ日本絵画展開催中(~4/5)&イベント『SPRING LOVE 〜春風〜』(4月4&5日)のおしらせ★どちらも入場無料!★

Filed under: TOPICS/NEWS! — yatch @ 21:09:38

只今「JICA地球ひろば」では、4月5日まで「アラブ日本絵画展」が開催されています。ピースオンからは、イラク現代アート作品5点を出展中です。
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シルワン・バラン2006年来日個展作品から(左)

2.JPG
昨年来日したばかりのカーシム・サブティーのブックコラージュはもちろん

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ハニ・デラ・アリ(←HPがリニューアル!)2005年来日作品も(右から二つめ)

他、アラビア湾岸から北アフリカまでアラブ世界20の国と地域の絵画、写真、そしてアラビア書道で有名な本田孝一先生のカリグラフィーなど、アラブゆかりの日本人作家の作品まで、およそ100点が展示されています。

「アラブ日本週間2009」
~アラブ日本絵画展~
「JICA地球ひろば」
企画展示スペース&セミナールーム&カフェフロンティア
2009年3月31日(火)~4月5日(日)
10:00~20:00(土日は18:00まで)
*カフェフロンティアは日曜閉店

【主催】駐日アラブ諸国大使館・外交使節団アラブ日本週間実行委員会

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また、4月4日(土)は、代々木公園で行われるイベント『SPRING LOVE 〜春風〜』のパネルディスカッションに相澤恭行が出演予定です。

flyer_s.jpg
SPRING LOVE〜春風〜 平和のためにできること
4月4日(土)、5日(日)
4日:13時〜20時/5日:12時〜19時30分

会場:代々木公園野外ステージ及びその周辺

4/4(土)
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☆SPRINGステージ

13:00 OPENING EMCEE (DJ HF)
13:20 POODLES (オーガニックジャムバンド)
14:10 LIKKLE MAI & THE K (レゲエのラバダブセット)
15:05 サルサガムテープ (パンク)
15:50 トーク①=戦争を目撃して:平和をイメージする(戦地での真実・
報道されることとされないこと)パネリスト:相澤恭行(NPO法人
PEACE ON代表)、久保田弘信(フォト・ジャーナリスト)/重信
メイ(ジャーナリスト)
17:05 KEYCO & 鼓 (レゲエ&オーガニックグルーブ)
18:00 亀淵友香 & VOJA (ゴスペルクワイアー)
19:05 犬式 A.K.A. DOGGGYSTYLE 花と散るSET!
(レゲエ、アフロロックフュージョン)
20:00 FINISH

☆LOVEステージ

12:00 ARTMAN (DJ)
13:45 HIYOSHI (DJ)
14:55 TUNE X AKA CINN (DJ)
15:45 MASA (DJ)
16:50 YOSHIE & 立石潤三(ベリーダンス&アラビックパーカッション)
17:05 トーク①の続き=戦争を目撃して:平和をイメージする(Q&Aセッション)
18:00 REE.K (DJ)
19:00 DJ YOGURT
20:00 FINISH

☆ バランスドーム(LOVEステージの横)

14:00 トーク③=写真からわかること、ジャーナリズムとアートの可能性
パネリスト:稲田英昭(ナビゲータ/編集者)/石田昌隆(フォト
ジャーナリスト)/久保田弘信(フォトジャーナリスト)

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4月5日のスケジュールなど、
他詳しくは公式ホームページをご覧ください。
http://www.balance-web.com/harukaze/

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