2008/3/14 金曜日

ナツメヤシと向き合う

Filed under: 現地滞在レポート — yatch @ 21:09:23

(現地滞在報告続き)2月23日ダルブナーギャラリーの後は、おなじみのイラク人画家、ハニ・デラ・アリ宅で今後の展開など軽く打ち合わせ。

いつまでこの仮の避難所ヨルダンに留まるか、難民として欧米のどこかに移住できるか、それとも治安が回復し復興の気運高まるイラクの故郷アンバール県に帰るべきか・・・。芸術家としての自分の仕事、家族の幸せ、そして4人の子どもたちの教育と将来を考え、葛藤する一人の父親の姿がありました。

昨年末にラマーディーを訪れたときの家族や友人たちからの歓待は、感激とともに、まるで客人としてもてなされたような寂しさも感じたようです。イラクを離れてからの年月が、お互いをいかに大きく変えてしまったか。

アトリエに飾られていた新しい作品には、イラクのシンボル、生命の樹ナツメヤシの幹が太く大胆に描かれていました。故郷の大地から引き剥がされた自分自身の姿と向き合うように。

hani-date

2008/3/7 金曜日

ラタキア、タルトゥース小旅行

Filed under: 現地滞在レポート — Kaori @ 23:04:53

*写真は全てクリックすると拡大します。

首都ダマスカスだけでは、シリアの生活文化を知ることはできません。
今回は、地中海沿いの港町、ラタキア(アラビア語では「ラザキーア」と読むと思うのですが)とタルトゥース、ウガリット、アルワード島へ出掛けました。

ラタキアへは、ダマスカスのガラージュ・ハラスターというバスターミナルから高速バスで4時間ほど。
ラザキーアと言ってにっこりしないシリア人はいない、というのは大げさですが、皆一様に「よいところよね」と口にします。
ラタキア_パパ像
*ラタキアで育ったという前シリア大統領の像。
ラタキア_海とモスクと夕暮れ
*海とモスクとラタキアの夕暮れ。
ラタキア_マクハー
*夜はマクハー(喫茶店)で水煙草をふかす。

ラタキアの北、ウガリットへ。
道すがらの海と畑と田んぼの光景は、日本にいて考える砂漠のイメージとは全く異なり、豊かな緑の在りようがまるで日本にいるようでした。柑橘類がたわわに実り、可憐な花々が咲き乱れ、季節を愛でるにうってつけの旅でした。
ウガリット_オレンジ農家
*通りかかった農家にてオレンジを持たせてくれる。新鮮な果汁が口中にはじけるのがなんとも贅沢。
ウガリットへは、ラタキアから乗り合いバスで15分ほどで行けます。運賃も10円ぐらいなので、ラタキアを訪れた際にはぜひ。遺跡への入場料が別にかかります。
ウガリット1 ウガリット2
ウガリットは、5千年前に栄えたという世界最古の都市の一つ。
さらに1万4千年前にも国際都市が存在したらしく、ただただ息を呑むばかり。ウガリット文字が有名ですね。
ウガリット恭行 ウガリット香緒里
*ウガリットの遺跡に手を置き、年月を跳び越えて古代この地にいた人を想起する。
ウガリットコーラ1 ウガリットコーラ2
*コカコーラなどに対抗して生まれたウガリット・コーラも話題になりましたね。

ずっと乗ってみたかったシリアの鉄道。
駅は立派なのに、車体も車内もすごい状態。バスより安く時間がかかるのに納得しました。
ラタキア_電車1 ラタキア_電車2

ラタキアから1時間強でタルトゥースへ。ラタキアより小さく親しみやすい印象でした。
タルトゥース_旧市街1  タルトゥース_旧市街2
*海沿いの旧市街。

タルトゥースからアルワード島までは、船で半時間で行けます。アルワードはシリアで唯一の島。
タルトゥース_港
宮城県の気仙沼で生まれ育った相澤は、タルトゥースとアルワード島がまるで気仙沼と大島みたいだと言います。潮の匂いも船から延びる海面のしぶきも住民の赤ら顔も、みんな似ているなあと望郷のご様子。
アルワードは人口1万人弱、学校も4つあるそうです。ほとんどが漁業の仕事に就いているんだとか。
アルワード島_青と白
*青と白のコントラストがアルワードの町並み。
アルワード島_釣り人
*釣り人。
アルワード島_反対側
*島の反対側。苔の蒸す岩と穏やかな海。
アルワード島_造船
*造船も。
アルワード島_魚料理
*漁港ではお魚ばかり食らっていました。鯛など白身魚が多く、どれも新鮮だが、肉料理に比べずいぶん値段が高い。
アルワード島_三輪車
*三輪車に乗せてもらいました。

シリアの海、シリアの魚、シリアの鉄道、シリアの田畑・・・シリアの豊かな表情をまた確認し、ダマスカスへと帰って行ったのでした。

アラブ菓子クナーファ

Filed under: 現地滞在レポート — Kaori @ 22:40:05

ハーシェム食堂にほど近いお菓子屋さんも常に繁盛しています。
クナーファ1 クナーファ2
クナーファという熱々のお菓子をいただきました。1切れ400フィルス(80円くらい)。
シロップが甘ったるく、飲み物がないとわたしは苦しいのですが、外はカリカリで美味。
ダウンタウンでこばらが空いたら一度お試しあれ。

ハーシェム食堂

Filed under: 現地滞在レポート — Kaori @ 22:32:57

アンマンのダウンタウンにあるハーシェム食堂。いつも地元のおじさん客で賑わっています。
メニューはホンムス(ひよこ豆のペースト)、フール(お豆の煮込み)、ファラフェル(豆コロッケ)など少ないですが、安くて美味しいのが人気の秘訣。
ハーシェム食堂2
この日は二人でお腹いっぱい食べて、2.5ディナール(約390円)。ごちそうさまでした。
ハーシェム食堂1
*ファラフェルを揚げるお店のおっちゃん。

「イラク現代アートの先駆者たち」作品無事返却

Filed under: 現地滞在レポート — yatch @ 22:26:59

すっかり報告遅れてすみません。今回は諸事情からヨルダン、シリア間を何度も往復することになり、移動続きの疲れもあってか体調を崩し下痢に苦しめられて、手記をまとめてアップする余裕がありませんでした。重いバックパックを背負い安宿を巡るという旅はさすがにしんどい年頃になったようです。悲しいですが、「骨身にしみる」という言葉がこれほど骨身にしみた旅はありません。

もう旅も終わりに近づいてしまいましたが、ようやく体調も良くなってきましたので少しずつ報告していこうと思います。

まずはヨルダン2月23日に無事アンマンに到着し、翌日ダルブナーギャラリーへ。昨年11月東京、そして今年2月には京都で開催した展覧会、「イラク現代アートの先駆者たち」のために借りていた作品を無事にお返しして、日本での展覧会について報告し、売れた分の清算も済ませてきました。

オーナーのマヤミーンさんは旅行中で、マネージャーのハナンさんが対応してくれました。ご自身のイラクアートとの関わりを情熱的に語るその姿を見て、ああやはりこういう人の力があってこそイラクアートがこの異国の地でも根を張り力強く生き続けていけるのだなあと納得しました。

ハナン 

ハナンさんは旦那さんがアーティストで、ご自身でもこんな鏡を作ったりしています。

オーファリー・ギャラリー

Filed under: 現地滞在レポート — Kaori @ 22:09:54

アンマンにあるオーファリー・ギャラリーへ行ってきました。
ここは、イラク人作家の作品を中心に扱う、庭つきの大きな画廊です。
2006年に来日したシルワン・バランも、ここで1年前に個展「ONLY SLOGANS」を行いました(当時の日記)。

今回はグループ展で、シルワンもハニも出展していて、両人に会うことができました。

シルワン@オーファリー
シルワンはアラビア文字をあしらった女性の画。
ハッと吸い寄せられそうで、なんというか同じおんなとしてこんなにうつくしく描かれることに嫉妬するかもしれないほどでした。恍惚としながら絵の前に立ちつくし、かれの恐ろしいほど優れた芸術をもっと日本に広めたいがどうすればよいかをずっと思い巡らせていました。

ハニ@オーファリー
ハニは祖国のなつめやしを。
昨年末に故郷に帰って以来、イラクの象徴的存在であるなつめやしの木を描くことに燃えているそうで、かれのアトリエにもなつめやしの作品が並んでいました。太陽の光を感じる、立体に感じるほど生命力のみなぎったなつめやしに、つき抜けたなつめやしへの想いが伝わってきます。
2006年に京都で買い求めた和紙を気に入り、リクエストに応じて今回もまた渡したので、日本の和紙からイラクのなつめやしが創造されるかも。

シルワン絵画もハニ絵画も、どんどん進化するのに毎回ながら驚いてばかりです。
PEACE ONはもっと精進して、かれらを日本に紹介するのをより深めなければなりませんね。

久しぶりのシルワンは相変わらず。日本のことをよく覚えていて、「うさぎ追いし~」の「ふるさと」の歌を幾度となく口ずさんだり、日本人が食堂などで注文する際の「あっ、すいません」のセリフ(特徴的な「あっ」が素晴らしい!)をフリつきで真似たり、日本で出会った人々の名を挙げて元気かと聞いたり。日本が大好きでまた来たいと言っています。そうそう、シルワンには日本の文化により深く触れてほしいなあ。実現させて呼びたいものです。
話の尽きない夜が続きます・・・。

ハニ一家、元気です

Filed under: 現地滞在レポート — Kaori @ 21:51:18

イラク人画家のおなじみハニ・デラ・アリ。先日の京都での展覧会でも、かれの作品はひじょうに人気がありました。

ハニ一家とは家族ぐるみでお付き合いさせてもらっていますが、今回も、オム・ムスタファ(ムスタファのお母さんの意味で、ハニのおくさま)の作るごはんをご馳走になったり、下の娘のルカイアにフォトショップを教わったり、即興で作った歌と踊りで二男フセインと遊んだりなど、なにかとお世話になっています。

ハニは昨年末に故郷のアンバール(イラク西部)に帰っていたそうで、ムスタファがお土産のイラクグッズを見せてくれました。イラク国旗の柄の帽子、お財布などなど。
イラク国旗とムスタファとルカイア
つい最近イラク国旗が新しく変えられたのですが、やはりもとの国旗に愛着を感じるものですよね。

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